美容室に行くたびに、「トリートメントもつけますか?」と聞かれる。つい「お願いします」と言うけれど、これって毎回いるのかな? と、心のどこかで思っていませんか。

先に結論をお伝えします。毎回でなくて大丈夫です。そして、ちょうどいい頻度は、あなたの髪質によって変わります。

でも、ただ「毎回いらない」で終わると、大事なことを見落とします。なぜ毎回じゃなくていいのか。サロンと家のトリートメントは何が違うのか。あなたの髪だと、どのくらいのペースがいいのか。この記事で、まるごとお答えします。

そもそも、サロンのトリートメントは何をしているの?

頻度の話をする前に、これを知っておくと全部がスッキリ分かります。

まず、髪の構造を、かんたんな例えで。髪の毛は、「傘」に似ています。

いちばん外側に、キューティクル(髪の表面をおおう、うろこ状のフタ)があります。これが傘の生地。その内側に、コルテックス(髪の中身が詰まった部分)があります。これが傘の骨組みと、骨組みの間を埋めるスポンジのようなもの。

カラーやパーマ、ドライヤーの熱、日々の摩擦で、この傘は傷んでいきます。生地(キューティクル)がめくれ、骨組みの間のスポンジ(髪の内部の栄養や水分)がスカスカに抜けていく。これが「ダメージ」の正体です。

サロンのトリートメントは、この抜けたスポンジ部分を、内側から埋めていく作業です。栄養や水分を髪の奥まで届けて、めくれた生地をなめらかに整える。だから手ざわりがつるんとして、指通りがよくなるんです。

健康な髪、ダメージを受けた髪、トリートメントで補修した髪を比較した図解

市販のトリートメントとは、そもそも役割が違う

「じゃあ家の市販品と何が違うの?」と思いますよね。ここが肝心です。

市販とサロンは、どっちが上か下かではなく、届く場所が違うんです。

市販のトリートメントは、主に髪の表面を整えます。傘でいえば、生地の表面をコーティングして、手ざわりをよくするイメージ。これはこれで、とても大事な仕事です。

サロンのトリートメントは、髪の内側まで栄養を届けられます。プロが髪の状態を見て、ダメージの度合いに合わせた成分を、専用の機械や技術で奥まで入れていく。傘の骨組みの間のスポンジを、中から埋める作業です。

つまり、サロン=内側を補修、家=表面をキープ。役割が違うので、どちらか一方だけでは足りません。この「分担」の考え方が、頻度を決めるカギになります。

なぜ「毎回」じゃなくていいの?

ここで、最初の疑問に戻ります。なぜ毎回サロンでやらなくていいのか。

理由は、サロンのトリートメントの効果は、しばらく持続するからです。

内側に入れた栄養は、1回のシャンプーで全部流れ出るわけではありません。少しずつ抜けていくものの、目安で2〜4週間ほどは、良い状態が続きます。ただし、これは髪質やダメージの度合いで幅があります。傷みが強い髪ほど、栄養を抱えておく力が弱くなり、抜けるのも早くなります。

だから、まだ栄養が残っているうちに毎回重ねても、効果が大きく上乗せされるわけではありません。抜けてきたタイミングで、また入れる。このリズムがいちばんムダがないんです。毎回つけるのは、料金的にももったいない場合があります。

髪質別|あなたにちょうどいい頻度

では、あなたの髪だとどのくらいがいいのか。髪質・ダメージ別に見ていきましょう。

ダメージが強い髪(ブリーチ・縮毛矯正・繰り返しカラー):2〜3週間に1回

ブリーチ(髪の色を抜く施術)を繰り返している、縮毛矯正やパーマを定期的にかけている。こういう髪は、傘の生地も骨組みもかなり傷んでいる状態です。

栄養を抱えておく力が弱いので、抜けるのが早い。だから、こまめに補うのが向いています。2〜3週間に1回、サロンで内側を補修すると、パサつきや広がりを抑えやすくなります。

少しダメージがある髪(普通のカラーをしている):月1回

月に1回のカラーやたまのパーマ程度なら、ダメージは中くらい。サロンでの染めのタイミングに合わせて、月1回トリートメントを重ねるのがバランスがいいです。カラーの薬剤で開いた髪を、そのまま補修できるので効率的です。

ダメージが少ない髪(カラーもパーマもしていない):2〜3ヶ月に1回でも

もともと施術をあまりしていない髪は、傘がそれほど傷んでいません。サロンのトリートメントは、季節の変わり目や、乾燥が気になったときのスペシャルケアくらいでも十分。毎月やる必要はありません。そのぶん、家でのケアを丁寧にするほうが効いてきます。

ダメージ強め、カラーあり、ダメージ少なめの髪質別トリートメント頻度を示す図解

カラーやパーマと同じ日?別の日?

「トリートメントだけの日を作ったほうがいいの?」という疑問もよくあります。

結論、カラーやパーマと同じ日でOKです。むしろ、そのほうが理にかなっています。

カラーやパーマの薬剤は、髪の傘の生地(キューティクル)を開いて中に作用します。施術直後は、生地が開いて栄養が抜けやすい状態。その開いたタイミングで、すぐにトリートメントで栄養を入れてフタをするのが、いちばん効率がいいんです。わざわざ別の日にする必要はありません。

サロンに行かない間、家では何をすればいい?

ここが、じつはいちばん効いてくるところです。サロンが月1回なら、残りの29日は自宅で過ごすからです。

思い出してください。サロン=内側を補修、家=表面をキープの分担でしたね。サロンで入れた栄養を、家のケアで「逃がさない」ことが大事になります。

ポイントは3つ。

家のケアで、サロンの代わりになる?

正直にお答えします。代わりにはなりません。でも、それでいいんです。

さっきの分担を思い出してください。家のケアは「表面をキープ」する仕事。傘の骨組みの間のスポンジを内側から埋めるのは、やっぱりサロンの技術が必要です。だから、家のケアだけで内側の補修まではできません。

でも逆に、サロンだけでも足りない。月1回サロンで完璧に補修しても、残りの日々を無防備に過ごせば、せっかくの栄養は抜けていきます。

つまり、どちらが上でも代わりでもなく、二人三脚。サロンで内側を「入れて」、家で表面から「逃がさない」。この2つがそろって、はじめてきれいが続きます。お金をかけずに効果を長持ちさせたいなら、じつはこの「家での逃がさないケア」こそが、いちばんコスパのいい方法なんです。

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