デスクで仕事をしているとき、電車の中、寝る前。
ふとした瞬間に、頭に手が伸びる。
かくと一瞬すっとするのに、しばらくするとまたかゆい。人前だと気になるし、かき続けているうちに、なんだか痛いような感じになってくる。
そして困るのが、調べても答えがはっきりしないことです。「乾燥が原因」と書いてあるページと、「皮脂が原因」と書いてあるページが同時に出てくる。真逆のことが書いてあって、結局どっちなのか分からない。
実は、どちらもありえます。かゆみは病名ではなく症状なので、原因はひとつではないからです。
乾燥、洗いすぎ、洗浄力が強すぎるシャンプー、逆に洗えていないこと、すすぎ残し、熱いお湯、こすること、汗、皮脂、新しく使い始めた製品、カラーやパーマ。いろいろな要因で起こります。
だから、かゆくなったからといって、いきなり「病院でなければどうにもならない」と考えなくても大丈夫です。まず、毎日頭皮に触れているものや、洗い方の中に、刺激になっているものがないかを見直せます。
この記事は、こういう順番でお話しします。
- 今かゆい人が、すぐできること(かかずにしのぐ)
- 身近な原因を見直す(シャンプー、洗い方、乾かし方)
- 状態に合わせて、負担の少ない対処を試す
- それでも改善しないとき、症状が強いときの相談先
急いでいる方は、第2章だけ先に読んでください。 今のかゆみをしのぐ話です。
1. かゆみって、そもそも何が起きているの?

まず、頭皮がどうなっているかを見てみましょう。ここが分かると、あとの話がつながります。
頭皮には「壁」と「フタ」がある
頭皮の表面は、レンガの壁のようになっています。細胞がきちんと積み重なって、外からの刺激をブロックしている。
そして、そのレンガのすき間を埋めているのが、うるおいの成分です。壁の目地のようなものですね。さらにその上には、皮脂の薄いフタがかぶさっています。
この壁とフタがそろっていると、頭皮は守られています。外からの刺激も入らないし、内側の水分も逃げません。
かゆみは「アンテナ」が反応している
壁のすぐ下には、アンテナのような細い線が伸びています。これがかゆみを感じる仕組みです。
普段、このアンテナは壁に守られていて、めったに反応しません。
ところが、フタがはがれたり、壁のすき間が開いたりすると、外からの刺激が奥まで届いてしまう。アンテナが刺激を受けて、「かゆい」という信号を出す。
これは、頭皮のかゆみが起きる代表的な仕組みの一つです。
ただし、これだけではありません
大事な補足です。かゆみは、この仕組みだけで起きるわけではありません。
- 皮脂が多い状態
- 汗が残ったとき
- 製品による刺激
- アレルギーの反応
- 炎症が起きているとき
これらでもかゆみは起こります。だから「乾燥さえ防げば大丈夫」とは言えないのです。この記事では、いろいろな可能性を順番に見ていきます。
ひとつ、覚えておいてほしいこと
かゆみは「頭皮が汚れているサイン」とは限りません。
かゆいと「もっとしっかり洗わなきゃ」と思いがちですが、洗いすぎが原因のこともあります。 ここは、あとで詳しくお話しします。
かくと気持ちいいのに、またかゆくなるのはなぜ?
かくと一瞬すっとする。でもすぐ、さっきより広い範囲がかゆくなる。
理由はシンプルです。かくという行為が、壁をさらに削るからです。
かゆい → かく → 壁がはがれる → アンテナがもっとむき出しになる → もっとかゆい。
この輪に入ると、抜け出しにくくなります。
だからこの記事は、まず、この輪に入らないための話から始めます。原因を探すのは、そのあとです。
2. 今かゆい人へ ── かかずにしのぐ方法
「かかないでください」とだけ言われても、無理ですよね。具体的な手段をお伝えします。

今すぐできる方法の一つが、冷やすこと
かゆみのアンテナは、温まると反応しやすくなります。
冷たいタオルなどを短時間当てると、かゆみが一時的に和らぐことがあります。かきむしる前に冷やすことで、かくことによる悪循環を避けやすくなります。
ただし、原因を治す方法ではありません。 あくまで、その場をしのぐための手段です。原因の見直しは、第3章以降でお話しします。
冷やし方
冷たい濡れタオル、またはタオルで包んだ保冷剤を当てます。
- 保冷剤は必ずタオルで包む(直接当てると冷たすぎて、それ自体が刺激になります)
- 冷たすぎると感じない範囲で、短時間ずつ当てる
- 当てるだけ。こすらない
冷たい水のスプレーでもいい?
冷たい水を清潔なスプレーボトルに入れ、頭皮へ少量吹きかける方法もあります。
タオルや保冷剤を当てにくい場所や、外出前などにも取り入れやすい方法です。
ただし、氷水のように極端に冷たくする必要はありません。 冷たさを強くするほど効果が高まるわけではなく、頭皮への刺激になることもあります。
使うときは、次の点に注意してください。
- 冷蔵庫で冷やした程度の水を使う
- 頭皮が軽く湿る程度に吹きかける
- 吹きかけながらこすらない
- そのまま長時間濡らしておかない
- タオルでやさしく押さえるか、ドライヤーの冷風で乾かす
- 赤み、腫れ、かゆみの悪化があれば中止する
氷を直接当てたり、凍るほど冷たいスプレーを繰り返したりすることは避けてください。
冷やしたあとに、じんましんのような盛り上がりや強い赤みが出る場合は使用を中止し、皮膚科へ相談してください。
ドライヤーの冷風
外出先や、すぐに冷やせないときは、ドライヤーの冷風が使えます。髪をかき分けて、離して当てる。
冷やす以外にできること
涼しい場所へ移動する。
日陰に入る、帽子を脱ぐ、部屋を涼しくする。これだけでも変わります。
手を頭皮から離す。
かゆいと感じたとき、無意識に手が伸びます。気づいたら、その手で別のことをする。
爪を短くしておく。
どうしても触ってしまうときのために。傷をつけにくくなります。
寝るときに気をつける。
無意識にかいてしまう時間です。寝る前に冷やしておく、部屋を暑くしすぎない、が有効です。
3. 身近な原因を見直す
ここからが、この記事の中心です。
かゆみの原因が、毎日頭皮に触れているものや、洗い方の中にあることは少なくありません。そういう場合は、その刺激を取り除くことで、かゆみが落ち着くことがあります。

まず、思い当たるものがないか見てみてください。
① 最近、シャンプーを変えていませんか?
変えたタイミングと、かゆみが出たタイミングを思い出してみてください。
シャンプーだけでなく、トリートメント、スタイリング剤、洗い流さないタイプの製品も含みます。
心当たりがあれば、いったん元の製品に戻して様子を見るのが、いちばん分かりやすい確かめ方です。
② 今の頭皮に対して、洗浄力が強すぎませんか?
シャンプーの目的は、余分な皮脂と汚れを落とすことです。ところが必要なフタまで持っていってしまうと、壁が守られなくなります。
こんなときは、洗浄力が強すぎるかもしれません。
- 洗った直後に、つっぱる感じがする
- 乾かしたあと、すぐかゆくなる
- 冬になると悪化する
③ 使う量が多すぎませんか?
必要以上に使っても、汚れが落ちる量は変わりません。すすぎ残しが増えるだけになることもあります。
目安は、泡立てて頭全体に行き渡る程度。予洗いを丁寧にすると、少ない量で足ります(次の項目で説明します)。
④ 1日に何度も洗っていませんか?
まずは1日1回を目安に。
「かゆいから、もっとしっかり洗おう」として悪化するのが、いちばん多いパターンかもしれません。
汗をたくさんかいた日に2回洗うのは構いませんが、2回目はお湯だけ、またはシャンプーをごく少量にする方が、フタを取りすぎずにすみます。
⑤ お湯が熱すぎませんか?
ぬるめ(38度前後)が目安です。熱いお湯はフタを取りすぎます。
かゆいときほど熱いシャワーが気持ちよく感じますが、そのあとで跳ね返ってきます。
⑥ 爪やブラシで、強くこすっていませんか?
「気持ちいいから」と爪でゴシゴシ洗っている方、けっこう多いです。でもこれは、シャンプーのついでにかいているのと同じことです。
洗うのは指の腹。頭皮を動かすように洗います。こするのではありません。
頭皮用のブラシも、強く使えば同じです。気持ちよさと、頭皮への負担は比例しません。
⑦ すすぎは足りていますか?
すすぎ残しは、かゆみの原因になります。
洗う時間より長めを目安に、泡やぬめりが残らないよう十分にすすいでください。 自分で「もう十分」と思ってから、さらに30秒くらいが目安です。
特に耳の後ろ、えりあし、頭の後ろは、自分の目で見えないぶん、すすぎが甘くなりがちです。
⑧ トリートメントや整髪料が、頭皮に残っていませんか?
トリートメントは髪のためのものです。中間から毛先につけて、頭皮にはつけないようにします。ついた場合は、しっかり流してください。
スタイリング剤も同じです。根元までつけていると、その日のシャンプーで落としきれないことがあります。
⑨ 濡れたまま寝ていませんか?
洗ったら、その日のうちに乾かします。
濡れたままの状態が長く続くと、蒸れや刺激につながり、頭皮環境が乱れることがあります。 洗ったあとの頭皮は、フタが一時的に少ない状態でもあるので、そこを濡れたまま放置するのは、守りが薄いところに追い打ちをかけるようなものです。
乾かし方のポイント
- タオルで押さえるように水気を取る(こすらない)
- 根元から乾かす
- ドライヤーは離して、振りながら当てる。手のひらを頭皮の近くにかざして、熱いと感じない距離が目安
- 8割ほど乾いたら、冷風で仕上げる
⑩ お風呂上がりに、かゆくなりませんか?
お風呂上がりがかゆみのピークになる、という方は多いです。理由は3つ重なっています。
- 体が温まっている(アンテナが反応しやすい)
- お湯でフタが取れている(守りが薄い)
- 濡れた頭皮から水分が抜けていく
対策は、熱すぎるお湯と長風呂を避ける、上がったあと涼しい場所で体を冷ます、汗が引いてから乾かす。最後の冷風仕上げも効いてきます。
⑪ 汗をそのままにしていませんか?
汗そのものは体を守るためのものですが、乾いたあとに残る成分が刺激になることがあります。蒸れると菌も増えやすくなります。
運動後や夏場は、その日のうちに洗う方が安心です。
⑫ 強い日差しを浴びていませんか?
頭のてっぺんは、紫外線が直接当たりやすい場所です。 それなのに日焼け止めを塗る人はほとんどいません。
強い日差しを浴びた日は、頭皮も日焼けしています。日傘や帽子が現実的な対策です。
⑬ 季節の変わり目ではありませんか?
同じ人でも、季節によって頭皮の状態は変わります。 冬は乾燥しやすく、夏は汗と皮脂が増えやすい。
「去年の夏に合っていたケアが、今年の冬には合わない」ということが起こるのは、このためです。
⑭ カラーやパーマのあとから始まっていませんか?
施術後の一時的なピリつきと、アレルギー反応は別物です。
赤み、腫れ、じゅくじゅく、強いかゆみが出た場合は、自己判断で「たまたま」と流さないでください。次回もっと強く出る可能性があります。
特にヘアカラー(酸化染毛剤)で一度かぶれた経験がある方は、症状が治まっていても、酸化染毛剤を使うことはできません。 美容室に必ず伝えて、皮膚科にも相談してください。
なお、酸化染毛剤を使用する場合は、使用するたびに毎回パッチテストが必要です。
4. 原因を考える手がかり
見直すところが分かったら、次はどの方向に調整するかです。

フケ、べたつき、季節、かゆくなる時間は、原因を考えるための手がかりになります。
ただし、乾燥と皮脂の問題が重なっている場合や、製品による刺激、炎症などが関係している場合もあります。この表だけで原因を断定するものではありません。
| 乾燥が気になるとき | べたつきが気になるとき | |
|---|---|---|
| フケ | 細かい粉のよう | しっとりしたかたまり |
| 根元 | さらさら | べたつく |
| 季節 | 冬に気になりやすい | 夏に気になりやすい |
| かゆくなるとき | 洗ったあと、しばらくして | 夕方 |
どちらが正解ということはありません。両方が重なることもあります。
乾燥が気になるときに見直すこと
レンガの目地(うるおい)と、上にかぶさるフタ(皮脂)が足りていない状態が考えられます。
見直す方向は、取りすぎていないかです。
- 洗浄力:おだやかなものに変えてみる
- 回数:1日1回にする
- 熱:お湯の温度を下げる、ドライヤーを近づけすぎない
- 摩擦:こすらない、爪を立てない
べたつきが気になるときに見直すこと
頭皮には、もともと皮脂をエサにする菌がいます。これは誰の頭皮にもいるもので、悪者ではありません。普段はおとなしくしています。
ところが、皮脂が増えすぎると、この菌も増えます。菌が皮脂を分解するときにできる物質が、頭皮を刺激することがある。
畑にたとえるなら、肥料をやりすぎて、雑草まで元気になってしまったような状態です。
見直す方向は、残っていないかです。
- 予洗い:お湯だけで1〜2分。ここを丁寧にすると、汚れのかなりの部分が落ちます
- 洗浄:泡立ててから、指の腹で頭皮を動かすように
- すすぎ:洗う時間より長めを目安に。耳の後ろ、えりあし、頭の後ろを意識して
ただし、ゴシゴシ強く洗うという意味ではありません。 強くこすると、今度は壁を削ることになります。
薬用シャンプーを使えばいい?
「薬用」「殺菌」とうたわれたシャンプーもあります。必要な人には選択肢になります。
ただし、すべてのかゆみに合うものではありません。 「薬用だから安心」「菌を抑えれば解決」とは決めつけないでください。
使ったあとに、乾燥、つっぱり、刺激、かゆみの悪化がないかも含めて確認してください。合わないと感じたら、続けずにやめる方が安全です。
シャンプー選びで大事なこと
ここは正直にお伝えします。
一般的なシャンプーは医薬品ではなく、病気を治療するためのものではありません。
そのうえで、合わないものを使い続けているなら、変える意味はあります。
大事なのは、「強い洗浄力が正解」でも「やさしいシャンプーが正解」でも「薬用が正解」でもありません。今の頭皮の状態に対して、使っている製品と洗い方が合っているかを見ることです。
そして、変えたあとの見方にも順番があります。
刺激やかゆみの悪化、発疹などがあれば、すぐに中止してください。 我慢して使い続けるものではありません。シャンプーやコンディショナーでも、肌に合わずに炎症が起こることがあります。
問題がなければ、2〜3週間ほど様子を見る。次々に変えると、何が原因だったのか分からなくなるからです。
5. 頭皮の保湿という選択肢
顔や体は保湿するのに、頭皮を保湿している人は、ほとんどいません。
でも頭皮も皮膚です。乾燥が気になる場合には、選択肢のひとつになります。
まず、こういう状態のときは使わないでください
- 赤みがある
- 傷がある
- 湿疹、ぶつぶつが出ている
- じゅくじゅくしている
これらがある場合は、保湿より先に皮膚科へ相談してください(第6章)。
べたつきが気になる方は、まず洗い方から
第4章でお話ししたとおり、皮脂が多い状態で油分を足すと、逆効果になることがあります。
べたつきが気になる方は、予洗いとすすぎの見直しの方が先です。そちらの方が効きます。
何を使う?
「頭皮用」と書かれたものを選んでください。顔用の化粧水を流用する方もいますが、頭皮は髪があって環境が違うので、頭皮用として作られたものの方が使いやすいです。
商品によって設計はさまざまなので、まずは1つ試して、しばらく様子を見るのがおすすめです。
いつ、どうつける?
お風呂上がり、乾かす前か、乾かした直後。頭皮の水分が抜けきる前が目安です。
髪をかき分けて、頭皮に直接つけます。そのあと、指の腹でやさしくなじませる。このときもこすらないでください。
合わないと感じたら、すぐやめる
つけてピリピリする、赤くなる、かゆみが強くなる。こういうときは、続けずにやめてください。 「そのうち慣れる」ということはありません。
6. それでも改善しないとき、症状が強いときは皮膚科へ

ここまで、見直せることをお話ししてきました。でも、見直しても変わらない、あるいはそもそも見直しで対応できる状態ではないこともあります。
こんなときは、皮膚科へ相談を
- 赤みや腫れがある
- 湿疹、ぶつぶつが出ている
- じゅくじゅくしている、汁が出る
- かさぶた、ただれ、傷がある
- 強いフケが出ている
- 抜け毛も増えている
- 眠れないほどかゆい
- 日常の刺激を見直しても改善しない
- 何度も繰り返す
治療と、日常の見直しは、どちらか一方ではありません
ここは、はっきりお伝えしたいところです。
皮膚科では、症状や原因に応じた治療が行われることがあります。それは、セルフケアの代わりでも、最後の手段でもありません。
その一方で、治療を受けていても、毎日使っている製品や洗い方が刺激になっていれば、そちらの見直しも必要になる場合があります。
医療による診断や治療と、毎日のシャンプーや洗い方の見直しは、どちらか一方を選ぶものではありません。
症状が強い場合は治療を受けながら、日常的な刺激がないかも見直す。この両方が、同時に進むものだと考えてください。
何科?何を伝える?
皮膚科です。頭皮は皮膚なので、髪の専門クリニックでなくて構いません。
伝えるとよいこと:
- いつから続いているか
- どんなときに悪化するか(洗ったあと/夜/汗をかいたとき)
- フケの有無と、その様子(パラパラか、しっとりか)
- 使っているシャンプー(できれば商品名か、写真を撮っていく)
- 最近のカラー・パーマの時期
- 試したこと(洗い方を変えた、シャンプーを変えた、市販薬を使ったなど)
最後の「試したこと」は、意外と役に立ちます。第3章のチェックリストで思い当たったことをメモしていけば、そのまま伝えられます。
この記事にできないこと
具体的な病名の判断や、薬の選択は、この記事ではできません。 自己判断で症状名を決めてしまうと、必要な治療が遅れることがあります。
また、市販薬を数日使って変わらないなら、使い続けずに相談してください。
7. やらない方がいいこと
かく … いちばんやってしまい、いちばん避けたいこと。かけばかくほど広がります。爪で傷がつくと、そこから別のトラブルにつながることもあります。
爪を立てて洗う … シャンプーのついでにかいているのと同じです。洗うのは指の腹。
ブラシで強くこする … 気持ちよさと、頭皮への負担は比例しません。
熱いお湯 … フタを取りすぎます。
ドライヤーを近づけすぎる … 熱いと感じない距離を目安に。
シャンプーを次々に変える … 何が合わなかったのか分からなくなります。刺激や悪化がなければ、1つ試したら2〜3週間ほど。
自己判断で市販薬を長く使い続ける … 数日で変わらないなら、相談する方が早いです。
8. 美容室には行っていい?
かゆいとき、行っても大丈夫?
まず、正直に伝えてください。 それが前提です。
美容師は頭皮を直接触ります。かゆみがあること、赤みがあること、しみやすいことを知らずに施術すると、悪化させてしまう可能性があります。
「最近、頭皮がかゆくて。今日できることと、やめておいた方がいいことを教えてください」
カラーやパーマはできる?
頭皮に赤み、傷、湿疹、じゅくじゅくなどの症状がある場合は、延期してください。
「頭皮に薬剤をつけない塗り方なら大丈夫」と思われることがありますが、症状がある状態で施術してよい、という意味にはなりません。
まず皮膚科で診てもらって、落ち着いてからにしましょう。
そして、過去に酸化染毛剤(一般的な白髪染めやおしゃれ染め)でかぶれた経験がある方は、症状が治まっていても、酸化染毛剤を使うことはできません。 これは好みの問題ではなく、安全の問題です。必ず伝えてください。
なお、酸化染毛剤を使用する場合は、使用するたびに毎回パッチテストが必要です。
美容室では、何をしてもらえる?
美容室は、病気を治療する場所ではありません。
そのうえで、できることがあります。この記事でお話ししてきた「見直し」を、一緒にやる場所だと考えてください。
- 使っているシャンプーやケア製品を確認する
- 洗浄力や使用量が、今の頭皮に合っているか考える
- 洗い方、すすぎ、湯温、こすり方のクセを確認する
- 自分では見えない頭皮の状態を確認する
- 日常ケアの変更案を提案する
- 症状が強ければ施術を見送り、受診をすすめる
特に3つめは、意外と大きいです。自分の洗い方が強すぎるかどうかは、自分では分からないからです。
第3章で14項目のチェックリストを出しましたが、そのうちいくつかは、自分では判断しにくいと思います。そこを見てもらえる、というのが美容室を使う意味です。
9. 落ち着いたあと、繰り返さないために
1. 元に戻さない
かゆみが治まると、つい元のゴシゴシ洗いや熱いシャワーに戻ってしまいます。楽になった理由がその変更なら、続けることが予防になります。
2. 季節で見直す
同じ人でも、季節で頭皮の状態は変わります。冬に合っていたケアが、夏に合うとは限りません。年に2回くらい、見直すつもりでいるとちょうどいいです。
3. 記録しておく
いつ、どんなときにかゆくなったか。スマホのメモで十分です。
洗ったあとなのか、夕方なのか、汗をかいた日なのか。 これが分かると、次に同じことが起きたときに、どこから見直せばいいかが早く分かります。皮膚科を受診することになったときにも、そのまま役に立ちます。
まとめ
頭皮のかゆみは、病名ではなく症状です。だから原因もひとつではありません。
やることの順番は、これです。
1. まず、かかずにしのぐ
冷たい濡れタオル、タオルで包んだ保冷剤、冷蔵庫で冷やした程度の水のミスト、ドライヤーの冷風。冷たすぎない範囲で、短時間ずつ。かゆみが一時的に和らぐことで、かきむしる悪循環を避けやすくなります。 ただし、原因を治す方法ではありません。
2. 身近な原因を見直す
シャンプーを変えていないか。洗浄力が強すぎないか。使う量、洗う回数、お湯の温度、こすり方、すすぎ、トリートメントの位置、乾かし方。原因が日常の刺激にある場合は、それを取り除くことで落ち着くこともあります。
3. 状態に合わせて調整する
乾燥が気になるなら、洗浄力・回数・熱・摩擦を見直す。べたつきが気になるなら、予洗い・洗浄・すすぎを見直す。どちらが正解ということはなく、重なることもあります。
4. 改善しないとき、症状が強いときは皮膚科へ
赤み、湿疹、じゅくじゅく、強いフケ、抜け毛、眠れないほどのかゆみ、繰り返す。ひとつでも当てはまるなら相談を。
そして、いちばん大事なこと。
医療か、自分でのケアか、という二択ではありません。
症状が強いときは治療を受けながら、毎日のシャンプーや洗い方に刺激がないかも見直す。今の状態に必要な対応を、順番にやっていくのがいちばん現実的です。
かゆみは、我慢するものでも、根性で乗り切るものでもありません。かき続けるほど広がっていくものなので、早めに手を打つのが結局いちばん楽です。
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シャンプーの洗浄力が今の頭皮に合っているか、洗い方やすすぎにクセがないか。これは、自分ではなかなか気づけません。
頭皮の状態を見ながら、使っている製品や毎日のケアを一緒に見直してくれる美容師さんに出会えると、日々のケアがぐっと変わります。
※ 赤み、湿疹、じゅくじゅくなどの症状がある場合や、見直しても改善しない場合は、皮膚科へご相談ください。
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